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「大丈夫か?初めての実戦で気分が悪いんじゃないか?」


呆然と自分を見上げる刹那に腕を回し抱き起こしてやると、大人しく身を預けてくる。


いつもなら振り払われるのに、やっぱり様子がおかしい。


「とりあえずスーツ脱がすぞ。風邪ひくからタオルで拭こうな」

あやすように言い、手を胸元まで降ろしたジッパーに延ばす。


刹那は呆然としたまま、ロックオンの顔からその手にうつろな視線を移す。


(…あっ!)

「だめだ!」

いきなり手を振り払い、背を向け小さくなってしまう。


「なんだ?怪我でもしてんのか?見せてみろ。」


「い、や、だ…もぅ、あっち行け」


「俺はお前が心配なんだよ。いいからこっち向けって。」


優しく背中をさすってやると、刹那は完全に拒む力を無くして簡単に正面に向かす事が出来た。


「…あ…」

真っ赤な顔で、逸らした目に涙を溜めている刹那の下腹部がいつもと違う。

(そうか。)

「刹那。大丈夫。初めての実戦で興奮したんだな。」

幼いながらも刹那の性は、生と死の行き交う戦場の、丸出しの本能に興奮してしまったのだ。

「っ…」
溜めた涙が溢れ落ちる。

「大丈夫。大丈夫だよ、刹那。」

「こんなのっ、…最低だっ!」


まるで。



戦う事に、人を殺す事に興奮したみたいだ。

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