Series
□入り口 ※
2ページ/6ページ
「大丈夫か?初めての実戦で気分が悪いんじゃないか?」
呆然と自分を見上げる刹那に腕を回し抱き起こしてやると、大人しく身を預けてくる。
いつもなら振り払われるのに、やっぱり様子がおかしい。
「とりあえずスーツ脱がすぞ。風邪ひくからタオルで拭こうな」
あやすように言い、手を胸元まで降ろしたジッパーに延ばす。
刹那は呆然としたまま、ロックオンの顔からその手にうつろな視線を移す。
(…あっ!)
「だめだ!」
いきなり手を振り払い、背を向け小さくなってしまう。
「なんだ?怪我でもしてんのか?見せてみろ。」
「い、や、だ…もぅ、あっち行け」
「俺はお前が心配なんだよ。いいからこっち向けって。」
優しく背中をさすってやると、刹那は完全に拒む力を無くして簡単に正面に向かす事が出来た。
「…あ…」
真っ赤な顔で、逸らした目に涙を溜めている刹那の下腹部がいつもと違う。
(そうか。)
「刹那。大丈夫。初めての実戦で興奮したんだな。」
幼いながらも刹那の性は、生と死の行き交う戦場の、丸出しの本能に興奮してしまったのだ。
「っ…」
溜めた涙が溢れ落ちる。
「大丈夫。大丈夫だよ、刹那。」
「こんなのっ、…最低だっ!」
まるで。
戦う事に、人を殺す事に興奮したみたいだ。
××××××××××