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□時として、無垢は罪。
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キスをして、手を繋ぎ、抱き合って眠る。
時々。
時々は。
小さな恋人の服を脱がし、愛を込めた触れ合いもする。
でも、抱いてはいない。
(好きなんだ。)
抱きたい気持ちより、泣かせたくない気持ちが勝ってしまう程。
好きで、堪らない。
(……違うな。)
抱けば、確実に泣かせてしまうとわかっているから。
(だから、抱かないんだろ?)
抱いてしまえば、抱き壊してしまう自信があるんだ。
あの不器用な刹那が、拙いながらも必死に愛情を表現してくれる。
彼の中に、そんな俺も受け入れる覚悟があるという事も知った。
あまりにも、純粋で、真摯な愛。
(俺は、お前の優しさが怖いよ。)
その優しさに甘えて、お前を壊すのが怖い。
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