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□願う。
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世界が赤いんだ。
それに硝煙くさい。
両手でないと抱えられない程のずっしりと重い銃。
おれじゃないおれじゃない。
(おれが殺したんじゃない。)
足元で砕けているのは一緒に戦っていた少年。
殺したのは俺じゃない。
鉄の装甲の、あいつがたくさん殺したんだ。
(殺したのは俺じゃないけど、守れなかったのは俺だ。)
だから俺は、ガンダムになるんだ。
守れなかったものを守るために、自分みたいな人間を増やさないために。
(でも。)
なぜ子供の俺が守らなければならなかったんだろう?
(そうだ。)
守ってもらえなかったから。
(だから俺が戦わなければならないんだ。)
では、なぜ。
(守ってくれる者はいないのだろうか。)
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