Scrap
□あたたかな侵入者。
2ページ/3ページ
「…っ、と。あ、アレっ!?」
引き寄せた温もりの予想外の大さに俺は戸惑い声を上げた。
あきらかに、小動物なんかではない。
第一、兎やリスが持つ被毛がない。
上の方に、少し硬めの、まるで人の髪の毛のようなものを感じるだけで。
「…………………。」
冷静に、かつミッション時よりも頭をフル回転させて考える。
気まずい空気が流れる中、抱き込まれたまま身を硬直させているソレ。
(…まさか…)
そんな馬鹿なまさか嘘だ。
しかし、よく知るこの感覚は…。
「刹那…か?」
「………。」
返事がないソレにシーツの中で顔を寄せ、鼻先がぶつかる距離で眼を懲らすと、よく見知った感情の見えない大きな眼が俺を見詰めている。
身じろぎもせず、言葉も発しない刹那。
いつも構われる事を嫌い、一人を好む刹那がなぜ俺のベッドに?
**********