雑記帳

□「お断りします」
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「へえ……新山って変態だったんだ」
「お前がだろ」
「…いや、私のは仕事だし…」
彼女が気持ち乱暴に砂糖を入れたコーヒーをかき混ぜる。
あ、混ぜた後のスプーンを舐める癖、まだ直ってないんだ。へへへへ…

「歯切れが悪い」
「あっチョコ、食べます?ちょうどバレンタインだし」
「あー…、悪いけどいいや」
「貰い過ぎてヤになったんだ、ふーん」
「いや、そんなんじゃないって、・・・若干トラウマでさ・・」

顔をしかめた彼女ににやけた口元を見られたくなくてかすかに下を向いた。
カップの持ち手に伸ばした指先に新山の視線舐めるようなを感じたのだ。

「モテる奴の言い分、だな」
「だからそうじゃないんだって」

口を歪める彼女に眼で話の続きを促す。

「高校生の時、さ、私最後の方来なくなったじゃない?」
「ああ、確かバレンタインの次の日だったんだっけ」
「そう、あの時のバレンタインに死にかけてさ」
「刺されでもしたの」
「いや、チョコに変なモン入れられた」
「ふーん……痴情の縺れってヤツ?」









「‥‥というか、あのチョコお前のだろ」











「あーばれた?」

まあ、いいけど。別に隠していたわけでもないし。
ろの形で固まった彼女にははははと笑いかけて私は一気にコーヒーを飲み下した。

「いやー私、新山の事好きだったしさ」
「いやいや、意味分からないし。………で、何入れた?」
「…農薬をほんのちょこっと、」
「………」
「…スプーン一杯弱くらい」
「殺す気か!」
「へへ…」

はあ、溜め息を吐いて彼女が窓の外に目をやった。
外は青い絵の具をぶちまけたみたいな快晴。
私は砂糖を入れ忘れた苦いコーヒーの味を舌で感じながら横を向いた顔に両手を当てて前を向かせる。



「でもさあ、新山も私の事気になってたでしょ?」
「お前……」
「すっごい撮られてたからね。盗撮ってヤツ?」
「まあ、好きだったけど……お前の身体が」
「うわっ変態くさっ」

「また撮らせてよ」
「じゃあ、チョコ食べてよ」










―――――――――――
ストリップショーのダンサーと観客っていう裏設定。
 

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