東京喰種
□ウタさん
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「どもー・・あれ?ウタサーン?」
名無しさんはウタの経営している店、「HySy ArtMask Studio」に来たのだが当主のウタが見当たらなかった。
「寝てるのー?ウタサンー」
マスクがたくさん飾られた店内に入ると、ウタサンがいそうな作業場などを探す。
すると、大きい不自然な布の塊を部屋の真ん中に発見した。
「(ウタサン、もうひっかかんないよ・・)」
初めて店に来た時に、ひどく驚かされたのを覚えている。
あれは・・もう、やだ・・。
名無しさんは、ばれないよう頭らしき方と逆に行くと静かに布をめくった。
「みーつけた」
布をめくると、予想通りウタは身を丸め隠れていた。
・・はずだった。
「寝てるし」
きっと、ウタは名無しさんが予定の時間を少し押してしまったので隠れ待っていたら寝てしまったのだろう。
「・・可愛いなあ」
年上のウタを優しく撫でると、自然と口が緩んだ。
見た目はピアスとタトゥーだらけで怖いけど、可愛い、だなんて心から思えるのはウタサンだけなんかじゃないかって思う。
そう。それほど可愛い。
「んー、ベット運んだほうがいいかな」
名無しさんは気合いを入れるために腕まくりをするとよいしょ、と引きずった。
「おめえええ」
「ふう」
ため息をふとつつきながら、ウタをベッドの上に寝かせた。