東京喰種
□白金木
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「お兄ちゃん!名無しさんさんが来たよ!」
「ん、ありがとヒナミちゃん」
自主トレで床に垂れるほどかいた汗をそこらへんに置いてあるタオルで拭い、そのままタオルを首にかけあの人がいる部屋へと向かった。
あの人は、いつもいってる時間と違う時間に来るから困る。
今日だって、本当は4時間前に来るはずだった・・
ちょっと、マイペースって枠から外れてると思う。
だから、この格好だってなんだって全てしょうがない。
「名無しさんさん、いらっしゃい」
「よー、てか金木クン筋肉すごっ」
「お兄ちゃん、すごいんだよ!毎日、しゅぱぱぱってやってるんだよ!」
「へーお疲れ様ー」
「ありがとうございます」
珈琲を用意し、例の件について話そうとした刹那。
何故か、月山がきた。
「ハハ、お邪魔するよ金木くん!」
おや、これは美しい女性が・・と##NAME##さんお手をとりキスをする。
が、当然のようにヒナミちゃんと遊び完全スルーだ。
でも、キスされることは嫌じゃないんだと思ったら固定された笑顔で手を僕の服で拭ってきた。
「やめてください・・」
「気を油断してた。」
「除菌するやつある?」
「はい、そこに」
まあ、これはいつものやりとり。
それにしても、アイツはいつもいいタイミングで入ってきて・・その辺でスタンバっていたりするのだろうか・・
「そうえいば、月山が金木クンちに入る練習してた」
道端で,と付け足す名無しさんさん。
「うわ、きも」
「だよね」
一方、当の本人はヒナミちゃんにひまわりの花をさしてくどいていた。
当然名無しさんさんのとび蹴りが炸裂するわけで・・
これもまた、狙ってるんじゃないかというくらい笑顔の月山だった。
そして月山が起き上がり笑顔のたびに、死ねと蹴っている名無しさんさんも何だか笑顔だった。
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「腹減った」
「いきなりそれですか・・」
「昨日食べたばっかりだし・・」
喰種は、最低でも一ヶ月に一回食べれば充分生きていける。
この人の胃袋はどうなってるんだろう・・
そういえば、いつも見るとよく食べている。
・・生足を。
「そういうと思ってね、持ってきたよ名無しさんさん!」
「食べる」
どこから取り出したか分からない料理を出し、長々とそれについて説明する月山だったが説明するころにはもう料理はなかった。