ノマレテク
□ソウオン
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「うるさいなー…何時だと思ってんのよ」
愚痴を吐きながらも帽子を深く被りオンナとばれない程度にサラシをキツく結んだ
そもそもの胸が無いので要らない、かなと思ったが
念には念を
カラン、と乾いた音と共に
いつもの席、いつもの飲み物を店長に頼んだ
「なんだ、今日はどうした?」
「暴走族だよ暴走族。うるさいのなんのって」
「はぁ〜、そりゃ金田のチームだな」
「金田ァ?」
聞いた事の無いバイクチームに頭を悩ませたがやっぱりやめた
店長が飲み物をついであたしの前まで持ってくるとタバコを吸い始めた
「金田って誰だよ」
「お前金田知らないのか」
「…知らない」
「金田ってのはなぁ…」
バタンッ
店内に大きな音が響いて
ズカズカと大きな男達が入って来る
真っ直ぐにあたしの横に座って
愚痴を吐き始めた
「ったくあの電飾ブタったらわけわかんねー。あれどうみても俺の勝ちだんな」
「まーたアゴに怒られちゃうよぉ」
「アゴな、あいつ脳は足りネェくせぇに力だけは強いもんな」
「俺あいつのせいで一本歯ァ折れたぜ」
「…っ」
怖い…怖い!
なんだこいつら!
怖いっ!