遊戯王【銀の月姫】
□第七話「白い決闘」後編
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マジック＆ウィザーズの「闇のゲーム」。
カードのイマジネーションが実体化し、ゲームの敗者には運命の罰ゲームが待っている。
そしてたった今
「カードが消えていく……」
攻撃的1500の『暗黒の竜王』が、攻撃力1000の海馬の『ガーゴイル』を撃破した。
「今のバトルで、お前のライフポイントは2000点から1500点に減った！！」
攻撃した側のモンスターの攻撃力−相手のモンスターの攻撃力が、ライフポイントのマイナスポイントとなる。
今の場合、『暗黒の竜王』の攻撃力1500から『ガーゴイル』の攻撃力1000が引かれた結果、海馬はライフポイントを500失った。
どちらかのライフポイントがゼロになった方が、このゲームは負けだ。
そして
「負けた者は、罰ゲームとして「死」を体感する事になるぜ！」
死の体感。
そんな事を言われたら、一体どんな目に遭わされるのかと不安になっても不思議はないだろう。
しかし、海馬は違った。
「フ……フハハハ……面白い……これぞ僕の求めていた究極のゲームじゃないか！！」
嬉々として海馬は笑い出す。
彼が死の体感という得体の知れないリスクすら、ゲームを盛り上げるスパイスとして受け入れるのは、“ある男”の教訓の所為なのかもしれない。
（俺はこのゲームに勝って、必ず爺ちゃんの“心”（カード）を取り戻して、咲月を助け出す！）
「さあ、次はお前がカードを引く番だぜ」
「OK！」
海馬はデッキからカードを引く。
引いた絵柄を見た瞬間、海馬はほくそ笑んだ。
「『ミノタウルス』のカードを引いた！！攻撃力1700守備力1000ポイント、獣戦士系カードの中でも最強を誇るレアカード！！」
机上に表示されたカードから、再び煙があがる。
来る。
「実体化する！！」
最早何故実体化するのかは、海馬にとってどうでもいい事らしい。
凄絶な笑みを浮かべる海馬の前で、『ミノタウルス』が現れた。
「！！」
鎧を纏った牛の様なモンスター。
これが『ミノタウルス』だ。
『ミノタウルス』の攻撃力は1700。遊戯の『暗黒の竜王』の攻撃力は1500だ。
つまり
「いけ『ミノタウルス』よ！『暗黒の竜王』をその剣で八つ裂きにしろ！！」
「！！」
『ミノタウルス』が剣を振りかざし、『暗黒の竜王』に襲い掛かる。
遊戯の前で、『暗黒の竜王』は『ミノタウルス』の剣に切り刻まれた。