遊戯王【銀の月姫】
□第十六話「Thirsty cry」
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最初は
いつも1人だった彼のトランプを拾っただけで
たったそれだけの事が
まさか繋がりになるなんて思っていなかった。
一本の糸はやがて太さを増して、枝分かれして
沢山の糸と繋がっていったのだ。
大変な事件に出くわしたこともあったけど
それを補って余りある喜びがそこにあった。
嬉しかった
楽しかった
空虚なモノクロな景色に、1滴垂らされた絵の具が、徐々に広がって景色に色が充たされていく
それなのに
不意に聞こえる音
驚いて足元を見下ろせばそこには
床を切り裂かんばかりの巨大な亀裂が音を立てて空間に走っていく
バキリと音がして、手前の床が横一直線に割れる。
そして離れていく床の上に立っているのは
自分を蔑んだ目で見据える、友と慕った彼等だった。