遊戯王【銀の月姫】
□第三話「秘密のバイトと凶悪犯」
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二人が去った後。
城之内は咲月達が出て行った引き戸を凝視して言った。
「なぁお前ら……最近杏子と咲月妙に付き合い悪くね?」
「あぁ……そういや」
「最近一緒に帰った事ないし……」
「遊戯、本田。これは俺の推測だけどよ―――アイツら放課後「援交」とかしてんじゃねぇかな……」
悪ふざけも甚だしい推測。
しかしそれに対し、遊戯はキョトンと首を傾げた。
「え……エンコウ?何それ?」
「何だお前。知らねぇのか?」
「援交ってのはな、金持ってるオヤジ相手に―――――」
説明された概要は、遊戯には刺激が強すぎたらしい。
忽ち顔を真っ赤にした遊戯は異議を唱えた。
「城之内君!!杏子と咲月ちゃんがそんな事する筈ないじゃないかー!!」
「いや……あながち間違いじゃないかもしんねぇぜ」
「本田君まで何言い出すの!?」
「だって、アイツらの今日の昼飯、『最高級スタミナ弁当』だっただろ。体力使う証拠だぜ」
「だよな?にしても杏子はともかく、大人しそうな顔してやるな咲月……」
「だから、二人ともそんな事してないよ!!」
あらぬ疑いを掛けている二人に、遊戯は必死で言い募る。
そのムキになりっぷりが面白かったのか、城之内がニヤリと笑う。
「なら、確かめてみようぜ。あいつ等が何しに行くか」
「確かめる……?まさか」