遊戯王【銀の月姫】
□第四話「まやかしの未来と約束」
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昼休み。
最近ドミノ高校では、こんな噂が広まっていた。
「ねぇねぇ知ってる?A組の狐蔵乃君」
「うん、最近ちょっとブームだよね」
クラスの女子達の会話を小耳に挟んだ城之内が、杏子に訊ねる。
「何だよ、その狐蔵乃って奴」
「えっと……最近有名になりだしたんだよ。超能力少年とかで」
「何!?超能力少年だぁ!?」
「うん……A組にいるらしいよ。何でも未来の事が見通せて、それが結構当たるんだって」
「! それで最近昼休み人少ないんだ」
恐らく主に女子だが、占ってもらいにいくのだろう。
納得して咲月が呟く。
「みたいだね。私はそういうの興味ないけど」
「……俺」
「!」
咲月が城之内の方へ視線を向けると
「占ってもらう!」
星でも宿ってるんじないかと思うくらい、城之内が目を輝かせていた。
そして言うが早いか、遊戯の手を掴む。
「行くぜお前ら!」
「え……僕は」
「ちょっと!」
「わっ!」
城之内に掴まれた遊戯が杏子の手を掴み、その杏子に咲月は手を掴まれる。
こうして奇妙な列を成した四人は、あれよあれよとA組に急行した、