ペダルの日常
□アイツでも風邪をひく
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side.A
朝、05:00。
いつもなら目覚ましの煩い音と共に爽快とは言えなくても、まぁそこそこに気分を左右されることなく起きる時間。
俺は低血圧じゃなけりゃ、朝に特別弱いってわけでもねェからなァ。
それが今日は何だァ?
とにかくまず最初に頭痛が酷い。
頭痛というよりは頭が重いっていったらいいだろう。
そして体も鉛のように重くて起き上がることすらできない。
まぁ、力が入らないので立てないのだが。
それに加えて口を開けば嗄れた声。
自分でもそりゃあ酷い声だと笑える程だ。
今は笑う気力さえもないが。
「………、ったく…」
取り敢えずベッドの近くの机に手を伸ばそうと布団をめくるが、寒気が尋常じゃない。
体温計を取るのを諦めた俺は、枕元に置いていたスマホを手にする。
福ちゃんには伝えとかねェとなァ。
いや、でも福ちゃんに伝えるんだったらアイツにも伝えねェとまた変なこと考えるし。
クソッ。
あれこれ考えてたら余計に頭痛くなってきた。
それでなくてもアイツとはここ最近会えてないというのに。
「………ゴホッ…。…ダルッ…」
咳き込みながら兎にも角にも福ちゃんにメールを入れて、しかし打ってる最中に意識を飛ばしてしまった。
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