スキだけじゃ足りない
□1話
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「みんなー、おはやっぷー♪」
僕、月宮林檎はいつも通り元気に事務所に挨拶をした。
僕が所属しているシャイニング事務所はシャイニーが経営している有名なアイドル事務所。
勿論、僕もここに所属しているんだからアイドルなんだけど。
社長はシャイニー、そして実質No.2を務めているのは同じアイドルで僕と同期の日向龍也。
僕の恋人だった人だ。
だったって言うのは、つい一週間前に僕が龍也のマンションから出て行ったからなんだけどね。
別れてはいないよ。
でも、別れたも同然だ。
何故なら
「林檎、お前……」
「私、この後撮影があるから行くわね♪お先♪」
僕が龍也と話すことをしていないから。
あれは僕は悪くない。
これで別れることになっても別に良い。
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