スキだけじゃ足りない

□3話
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「林檎ちゃん!!」

「音くん、おはやっぷー♪」

「おはやっぷー♪じゃないよ!!」


2日後。


事務所に挨拶に来たら、そこには音也がいた。


てことは、トキヤもいるってことだよね。


「事務所移るって…」

「事実だよ」


今は男の格好してるから、変に女言葉使わなくてもいっか。


「林檎先生、何故です」

「大人の事情ってやつだよ」


音也とトキヤにどれだけ何を言われようと僕が事務所を移籍するっていう事実は変わらない。


これで業界人として大きくなれるならそれで十分だ。


「大人の事情って言ってはぐらかさないでよ!!」

「これでも私達だって…」

「僕からしたら君達はまだ子供。首は突っ込むな」

「林檎ちゃん……」


トキヤも音也も、可愛い教え子だ。


でも、これからはライバル。


今はまだ超えられるわけにはいかない。


「橘さんの黒い噂を知らない林檎先生じゃないでしょう」

「…………」







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