『蒼空の瞳』 完結
□13.Confessions
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仕事を終わらせて、棗に連れてこられたのは人気のない静かな森の中だった。
アリスの秘密の場所に比べると少し薄暗い場所だが、程よく月の光が入り込んで心を落ち着けるのに最適な場所だった。
サクサクと歩く棗に対し、アリスは興味津々にあたりを見渡している。
「この辺でいいか……」
「棗さん?」
何か思いつめたような雰囲気に、アリスは首を傾げた。
ついてきておいてなんだが、このままこの場にいてはいけないような気がした。
「棗さ……「お前は……」……え?」
咄嗟に反応できなかった。
棗が何を望み、何を言いたいのか。
分からないけど……聞くのが怖かった。
聞いてしまって、何かが変わってしまうのを恐れていたのかもしれない。
「お前が好きだ」
何のひねりもない。
とても素直な言葉だった。
だからよけいに心に響いた。
けれど………
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