『蒼空の瞳』 完結

□18.Again
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アリスの宣言通り、1時間もしないうちに事態は急速に収まり始めていた。

あれだけの爆発があったにも関わらず、怪我人はゼロ。

森や校舎の被害も窓ガラスが割れた程度で何もなかった。



後からアリスに説明してもらったが、空間をゆがめ、裏描写された世界で爆発を起こしていたという………が、
実際に説明されても何が何やら……誰も理解することはできなかった。

とりあえず、全員無事だということだけは分かったので、安心した。




「水精霊、影精霊、光精霊、闇精霊、ありがとうございました。
 あとは最後の仕上げですね……」






風よ、土よ、木よ、火よ―――

我に力を委ねよ……我の言葉に従え……

時は満ち足り――元あるべき姿に戻れ――

我、願い叶えん……我が前に、今姿を現せ!!






アリス学園の中心で浮かんでいるのはアリスだった。

四大精霊たちの力を使って、壊れた場所の修復に大忙しだ。

と言っても基本窓ガラスの修復と、空に作られた時空間の後処理だけだが。



これが終われば、本当の意味ですべてが終わる。

もう、アリスが学園にいる意味はなくなる。



「初校長はZに任せましたし、あとは学園が自力でやってもらわないといけませんね」



空はアリスの瞳のように蒼く澄み渡っていた。



「さよならを言わないといけませんね……」



本当なら、……学園に来た頃なら、何も言わず、学園を立ち去るつもりだった。

けれど、今そんなことをすれば学園からの脱走者が多数出そうで、無責任なことはできない。




「本当、時が経つということは恐ろしいですね」







アリスはくすくすと笑いながら、慌てふためく教師たちを見ていた。






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