『The rainbow of seven colors』 完結

□13.衝撃
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地下はひんやりとしていて、少し怪しげな感じがする。


『……あげパンさん?……この声、何?』

「「声?」」


少しおびえたような優希のつぶやきに、赤井と弥一は声をそろえて首を傾げた。


「やっぱり、聞こえるんだね。……これから見てもらうのは、少し………辛いかもしれない」

『……“薬”の副作用……?』

「え……?」


ポツリと優希の口から洩れた言葉に、弥一は訝しげに声をあげて、赤井は驚いたように眉をあげた。


「……そうだよ」


あげパンさんの表情は苦しそうに歪んでいた。


『………この先に………』


長い階段の下には、長い廊下と、たくさんの部屋、檻が設置されている。

血の匂いはしなくとも、長くいたいとは決して思わない場所だ。



……もう一つの地下は、もっと過ごしやすく、心落ち着くのに………。










あげパンさんの示す場所に近づくにしたがって、優希たちの表情がこわばっていく。


「……ここだ」

『………あけるわよ』


優希は震える体を叱咤して、扉のノブに手をかけた。




ガチャ………キィ―――




『「「っ!?」」』




開けた瞬間、漂ってきた匂いに3人は息をのんだ。


コツコツ……


中に入ると、もっとすごかった。

牢屋の中に、蹲る人影。その手足は、鎖でつながれている。





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