鋼の短編
□April fool
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※シリアス?ver(少々お待ちくださいより)
「鋼の……?」
「女……?恋……?」
エドワードの言葉に、大佐たちは呆然と呟いた。
うまく処理できないのか、頻りに首をかしげている。
「君は……女の子だったのか?」
「……大佐、すぐに賢者の石を探しましょう!!」
「大将……今まで、よく頑張ったな……」
全員がようやく処理できたのか、エドワードを慰めようと必死だ。
それに、何故か全員が焦っている。
―――まぁ、今まで男だと思ていた子供が、実は女だったと言われれば、大佐たちじゃなくても焦るだろう。
ましてや、エドワードは国家錬金術師だ。
性別詐称になってしまう。
そんな彼らの思考に気づかず、一瞬事態がつかめず、キョトンとしたエドワードだが、ニヤリと笑った。
「……みんな騙されすぎ(笑)」
「「「「「は?」」」」」
「今日は何の日だ?」
「4月1日だから……」
「ああ、エイプリルフールか……」
「そっ。あ、でも賢者の石を早く見つけたいのはホントだけどね」
くすくすと笑うエドワードに、大佐たちは呆れながらも、ホッとした。
賢者の石だけでなく、こうやってエドワードが季節や日にちを感じていることに安心したのだ。
こんな嘘も、おちゃめな冗談で済ませられる。
―――ただ、嘘だと分かってホッとした反面、残念に思った人間も3人ほどいたが……
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