鋼の短編
□七夕
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「七夕か……」
織姫や彦星のことや恋はともかく、毎年七夕に願ってることはある。
短冊に書いたことはない。
そんなことをすれば、母さんが悲しむことは分かってたから……
きっと誰も俺の願い事……幼いころからの願いを知らない。
「今年は晴れなんだな……」
一人、公園のベンチに座って空を見上げた。
去年は見ることができなかった星が夜空一面に輝いている。
「今年は叶えてくれっかな……」
アルを戻す方法が見つかることを願う。
科学者らしくないかもしれないが、そうでもしないとやっていけない。
今年こそはアルを戻してやりたい。
そう願うと同時に、心の中で一つだけ心から願う。
幼いころから毎年願っていた願い……
―――どうか私を見つけてくれる人が現れますように……
と。
END
(2014年7月7日作成)
[あとがき]
今年は台風が近づいているから雨かと思いましたが、なんと晴れ!
雲はあるものの、星が見える!!
天の川はさすがに見えませんが……
台風が近づいてますね。
みなさん、飛ばされないよう、流されないように気を付けてください!!
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