『伸ばされる手』 完結
□4.Expression
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「最初は本当に男だと思ってたんだ」
ハボックの家に来たアルは思い出しながら話すハボックの話に耳を傾けた。
「けどいつだったかな?アレ?って思うときがあってよ……」
――そんであぁ、大将は女の子何だって気づいたんだ。
何がきっかけなんて覚えていない。
けど、必死で隠しているけど女の子だと分かった。
でも大将が隠そうとしているから自分も気づかないフリして、男として扱った。
大将と呼んでからかって………
けど、決して荒っぽくならない程度に頭を撫でて………
そんなんで甘やかせるわけじゃないけど、少しでもホッとできるようにと、ない頭で考えた。
「エドに知られたのは俺が知ってから半年後だったかな」
たまたま非番で街を歩いてたらエドを見つけた。
羨ましそうにショーウインドウを見ていた。
一瞬、からかってやろうかと思ったが…………どこか思いつめた感じがして…………やめた。
どうしたんだ?って声をかけたら驚いたように振り向いて、エドの表情に絶句した。
涙は流してないが、泣いてる顔。
苦しそうな……でも、どこか優しい……そんな顔。
まさに女の子の顔だった。
思わず、エドを連れて公園に向かった。
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