『伸ばされる手』 完結
□7.Sermon
1ページ/4ページ
「久しぶりだね、ここに来るの。7.8か月ぶりだっけ?」
「そうだな……。あ、ハボック少尉!」
「よぅ、一応元気そうだな」
約束通り迎えに来たハボックに、エドは肩の力を抜いた。
「司令室……行くか?」
「あ……うん……」
「安心しろ。大佐は出張中でいねぇーから」
車の中でハボックはエドを安心させるように優しく話しかけた。
見て分かるぐらいホッとするエドに、やっぱりまだ立ち直れてないか、と心の中で呟く。
「俺は今日非番だからさ。宿まで送ってやるよ」
「ありがとう、少尉」
司令部につくと、エドはハボックとアルを車に残して中に入った。
2人はついていくと言ったが、大佐がいないから報告書を机に置いて戻ってくるだけでいい。
だから大丈夫だと説き伏せて司令室に向かう。
「あら……エドワード君」
「……中尉……久しぶり」
「そうね。連絡ないから心配したわ」
「ごめん……」
途中、ホークアイ中尉と会って一緒に執務室に向かう。
「大佐、今日は出張でいないのよ」
「うん、報告書置いとくからさ、言っといてくれる?」
「……ええ」
報告書の束を大佐の机に置くと、エドワードは戻ろうとすぐに部屋を出ていく。
「ちょっといいかしら?エドワード君」
「何?中尉」
ホークアイはエドを連れて誰もない中庭の裏に連れて行った。
・