鋼の短編
□Kid's Day
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―――5月5日
イーストシティでは、大量の鯉が浮かんでいた。
知っての通り、こいのぼりだ。
家の中にはおそらく兜があることだろう。
「よう!仕事しってか〜」
「兄さん!!」
執務室に勢いよく入ってきたのは、もちろんこの人。
歩くトラブルメーカーであり、鋼の錬金術師のエドワード・エルリックだ。
賢者の石を探すためにあちこちにいるこの兄弟が、こんな早く(前回来てからまだ1か月だ)帰ってくるのは珍しかった。
「雨でも降るんじゃないだろうね」
「失礼な奴だなぁ。でも雨降ったらあんた無能になるじゃん」
「全く、どっちが失礼なんだね……」
呆れたようにエドワードを見るロイ。
相変わらずの(漫才のような)会話に、アルは苦笑していた。
……たぶん……身体があったら……
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