『The rainbow of seven colors』 完結

□4.授業
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『ふぁ〜〜』


新一の口から、大きなあくびが漏れた。

もちろん、周りに聞かれるようなヘマはしない。

正直、退屈でしかない。

普段、学校に行けない(行かない?)新一は、特部で既に高3(実際は大学卒業程度)の勉強を終えている。(特部情報)


『(まさか、授業がここまで暇だとは……。高校生って、スゲーなぁ〜)』


自分の高校生なのだが、普通と異端はここまで違うのか………

新一は無意識にそんなことを思った。(幼なじみたちが聞けば怒ること間違いなし)


『(にしても。まさか、今の二代目がいるクラスに入るなんてなぁ〜。ヘタなことできねぇーな)』


新一はそっと後ろから、前で寝ている奴を観察した。

自分とよく似た顔立ち(快斗の方が犬っぽいという青子の意見)で、誰かさんとよく似たひょーきんさ……。


『(流石親子ってか?心ン中で何考えてんのかわからねぇーあたりも、同じだな)』


確か、IQ400の天才児。

マジシャンの卵で、人懐っこい面を持つが、本当の意味で心を開いている者はいない。

特部で“あの人”の家族について調べた時に、出てきた情報だ。

もちろん、怪盗キッドのことは載っていなかった。


『(でも、やっぱり二代目だよなぁ〜。ポーカーフェイスは流石といいてぇーけど………



 目は口ほどにモノをいうってこと、覚えるべきだぜ?)』



新一はこっそり笑った。

新一は、仮にも変装が得意だというのなら、周りの変装も見抜く力を持つべきだと思っている。

ましてや、マジシャンを目指すのなら、相手の表情など、読めなければいけない。

そういう点では新一はシビアだ。



初代怪盗キッドのすごさを知ってるせいもあるかもしれないが………



『(ヘタに本物知ってるからなぁ〜。……あの人と比べる方が間違ってるんだろうけど……)』


新一は授業など、そっちの気で自分の思考の海の中にいた。

もちろん、急に質問されても答えられるように話だけは耳に入れている。


『(……とりあえず、使えるモノは使って、情報仕入れるか。……時間掛かりそうだな〜)』


新一はため息を吐くと、今後の方針を頭の中で組み立て始めた。




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