『The rainbow of seven colors』 完結
□5.怪盗
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〔快斗Said〕
「キッドだ────っ!!追え───っ!!」
「では、警察の皆さん、このローズクリスタルは頂いていきます」
──ヒラリ
「おのれ、キッド──!!逃がすな───!!」
ウウウ────ッ
パトカーのサイレンが、町中を駆け回る。
それを静かに見つめる白い影………。
「まぁた、騙されてるよ、中森警部。………っと、やっぱり違ったか」
「坊っちゃん、そろそろ行きませんと………」
「寺井ちゃん、分かったよ」
白い影───今、警察が追ってるはずの怪盗キッドがそこにいた。
手に入れた宝石を月にかざす姿は、様になっている。
「いつになったら、見つかるのかねぇ〜」
キッドの正体は江古田高校に通う黒羽快斗だ。
快斗は、大きなため息を吐いて、手の中の宝石を見た。
目的の宝石にはまだ巡り会えていない。
「さて、そろそろ戻るか」
キッドはハングライダーを開くと、真っ暗な中、月の光りだけが輝く空へ飛んだ。
明日の新聞には、恐らく怪盗キッドのことが大きく取り上げられていることだろう。
……警察は今だ偽物を追跡中だ。
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