『The rainbow of seven colors』 完結

□5.怪盗
1ページ/3ページ



〔快斗Said〕 


「キッドだ────っ!!追え───っ!!」

「では、警察の皆さん、このローズクリスタルは頂いていきます」


──ヒラリ


「おのれ、キッド──!!逃がすな───!!」


ウウウ────ッ


パトカーのサイレンが、町中を駆け回る。

それを静かに見つめる白い影………。


「まぁた、騙されてるよ、中森警部。………っと、やっぱり違ったか」

「坊っちゃん、そろそろ行きませんと………」

「寺井ちゃん、分かったよ」


白い影───今、警察が追ってるはずの怪盗キッドがそこにいた。

手に入れた宝石を月にかざす姿は、様になっている。


「いつになったら、見つかるのかねぇ〜」


キッドの正体は江古田高校に通う黒羽快斗だ。

快斗は、大きなため息を吐いて、手の中の宝石を見た。

目的の宝石にはまだ巡り会えていない。


「さて、そろそろ戻るか」


キッドはハングライダーを開くと、真っ暗な中、月の光りだけが輝く空へ飛んだ。

明日の新聞には、恐らく怪盗キッドのことが大きく取り上げられていることだろう。





……警察は今だ偽物を追跡中だ。





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ