名探偵コナン中編
□心の傷(後篇)
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AM1:30
新一は本から顔を上げると、時間を確認した。
ついでに気配も確認して、誰も下にいないのが分かると、本と袋を胸に抱えて降りていった。
出来るだけ足音を消して、気配も消して風呂場に向かう。
ーーーガチャガチャガチャガチャ
先ほどのように、4つの鍵を閉めた。
本を袋に入れて、横においておくと、服を脱ぎ始めた。
ーーサラ……
新一は本を持って浴室に入った。
先ほど、身体とかは洗ったので、お風呂につかるだけでいい。
新一は身体を流すと、迷わず湯につかり、本を読み始めた。
お風呂は自動でお温めてくれるため、風邪をひくことはない。
新一は時間も忘れて、本に読みふけった。
AM2:30
気付けば、1時間も経っていたようだ。
新一は、すでに読み終えてしまった本を横において、シャワーを浴びた。
身体を流れるお湯が気持ちいい。
新一は全てが流れる感覚に身をまかせ、静かにシャワーの音を聞いていた。
だからなのか。
不穏な音に気付かなかったのだ。
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