鋼の短編
□April fool
2ページ/7ページ
相変わらず、賢者の石の情報はガセばかり。
全く見つかる気配はなかった。
「なぁ、大佐〜」
「なんだね?」
「石の情報ない??」
「昨日、渡しただろ?」
「もっと!!早く、アルを元に戻してやりたいんだ!!」
ズイッと机に乗り出して、情報を求めるエドワード。
ロイは近すぎる距離にいるエドワードに、クラクラとしながら無理だと伝える。
しかし、そんなことで諦めるようなエドワードではない。
ムーッと、唇を尖らせて、不満を漏らす。
「鋼の………。たまには、ゆっくりしてはどうかね?」
帰ってきてはすぐ旅立つ兄弟。
すぐではなくても、図書館や資料室にこもって出てこない。
ロイは、そんな彼らを………否、エドワードを心配していた。
「だって………」
急に静かになったエドワードに、ロイと実はずっといた副官や少尉たちが首を傾げる。
(エドワードたちがいるのは、執務室ではなく、司令室だ。アルは、猫ショップに行っているためいない)
・