鋼の短編
□Kid's Day
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「あ、大将」
「少尉?」
「今日はこどもの日だからな。お菓子だ」
「…………」
いつもならここで、
誰がちっちゃい子供かぁ――!?
というような突っ込みが入る。
しかし、当のエドワードは言われたことが理解できなかったような顔をしていた。
―――つまり、唖然としていたのだ。
「大将?」
「ハッ!誰がちっちゃい子供かぁ―――!?」
ハボックに呼ばれて、慌てて突っ込むエドワード。
やっぱりおかしい。
いつもの迫力がないではないか………。
「鋼の、どうかしたのかね?」
「な、何でもね……ないって……」
おそらく何でもねぇー!!と言おうとしたのだろう。
しかし、エドワードはわざわざ言い直した。
しかも、あり得ないくらい静かな声で。
「マジでどうしたんだ?もしかして病気か?」
「ち、違うって!!」
ハボックの言葉に、ブンブンと顔の前で手を振るエドワードだが、周りにはどうしても大丈夫には思えなかった。
本当に何かあったのではないだろうか。
マスタング組は顔を見合わせると、責めるようにアルフォンスに詰め寄った。
「いったい何があったんだ!」
「まさか、事件でもあったのか!?」
「い、いえ!何でもないですよ!本当に!」
「本当にないってば!!」
二人がかりで力一杯否定して、ようやく彼らは信じたのか、おとなしくなった。
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