鋼の短編
□誘拐
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「落ち着きたまえ。とりあえず確認するが、鋼のが"俺たち、国を変えます!!"とかいう変な名前の集団テロリストたちに誘拐されたということだね?」
「はい、"俺たち、国を変えます!!"ってダサい名前を名乗ってる集団に連れ去られました」
「「「………」」」
とりあえず、そのダサい名前はないだろう。
と、司令部にいた全員がおもった。
「それで、……君は何しに来たんだね?」
「え?もちろん……」
――兄を助けてください……
ではなく……
「兄さんならとっととやっつけてここに来ると思うので」
下手に移動して離れ離れになるより、ずっと分かりやし場所ですから。
ニコニコと(表情は見えないが)答えるアルフォンスに、ロイは苦笑しながらため息をついた。
連れ去られた兄の助けを求めに来たと思えば、ただ単に合流場所としてここに来たという。
まぁ、彼なら納得いくことなのだが……。
実際、彼が負けるとは思えないし、助けを必要とするとも思えないから。
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