鋼の短編

□ハイジャック?
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   * *



東方司令部まであと2駅ってとこでそれは起こった。


こっから司令部までの2駅間はそこそこ長い。

ただ、何もこんなとこでしなくても……と思う。




――ハイジャックなんて。




だが、起こってしまったものはしょうがない。























「兄さん、なんか……」

「いうな、弟よ。虚しくなるだけだ」


アルの言いたいことが分かったエドは、項垂れるようにその続きを遮った。

何というか、こう列車に乗るたびに起こされると、己のトラブルメーカー体質に恨みすら湧く。


「どうせ2駅で東方司令部だ。どうぜ大佐たちには犯行予告とか送られてるだろうし、待機してんだろ」


今回は手を出さずにゆっくりと見守ろうぜ。



……絶対に無理だ。



アルはそう思った。

エドの考えてることは分かる。

自分たちが動かなくても、大佐がたちが何とかするだろう。

けど、今までの経験上、この兄が何もしないなんてこと……口では言っていても、実際にそうなったことはない。

何もしない……なんて、実現したことないのだ。




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