『The rainbow of seven colors』 完結
□3.転入
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「ほら、席つけよー」
「先生!転校生って、男?女?」
「男だ。だから、早く座れ」
男という単語に、落胆する男子と、瞳を輝かせる女子。
今か今かと待ちわびている様子がありありと分かる。
それは、青子も同じだった。
「(ちぇっ。なんだよ、青子の奴………。転入生より俺の方がカッコイイに決まってる)」
胸の中で吐き捨てるように呟いた快斗は、窓の外を見た。
そこに、嫉妬が含まれてることに、気付いていない。
「もう少し待てよ。今、校長室に行ってるだろうから……。まぁ、もうすぐ来るだろう」
「(校長室ねぇ。まだいるってことは、ビッグ待遇される人物なわけだ)」
……あながち間違ってない。
いないが、校長が相手のことを知ってるかどうかは、また別問題である。
ガラッ
『すみません。お待たせしました』
扉が開いた音に、快斗の意識がそちらに向かうと、観察するように入ってきた人物を見た。
勿体つけるように足から順に上がって、そして、顔を見て………
見事に固まった。
周りの男子も同じように固まっている。
『えーっと……初めまして、工藤新一です』
………キャ───────っ!!!
入ってきた人物、新一は教卓の横に立つと、教師に促され、自己紹介をした。
……そして、冒頭に戻る。
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