Harmony!
□1
3ページ/3ページ
「では、これでHRを...」
放課後になった。
部活見学は一週間後からだから、まだできない。
「(早く部活したいなぁ...)」
いうなら、私は部活を、吹奏楽をするためにこの高校に来た。
ここの高校は、県内でも一番強く、何度か全国に行っている。
中学2年の時までは、 この高校にいくつもりはなかった。吹奏楽をそこまでやりたいとは思わなかったし、第一、私のいた中学は、みんなやる気がなかったし、県を突破したことなんて、ここ何十年もなかった。
毎年、銀賞。
それでみんな満足していた。
でも。私が 3年になって、顧問が代わった。クラリネット奏者で、なかなか若い。
そして、私はその人から、音楽の楽しさを学んだ。
あんなにつまらなかった合奏も楽しくなり、練習も 前の2倍ぐらいした。
そして、初めて知った、悔しさ。
「プログラム○番、光陽中学校...」
あんな結果出しちゃったら、吹奏楽続けるしかないでしょ。
「美音ー帰ろー」
「!日向!帰ろーっ」
日向がきた。
日向とは、クラスは 離れてしまったけど、私の中学の頃からの友達。一緒に吹奏楽をしてた仲間。
「部活、早くやりたいよね」
「ねー」
日向も部活をしにこの高校に来た感じだ。
「友達できたー?」
「....それ、私に聞いちゃう?」
「日向はできたけど?」
「ドヤ顔やめて。日向コミュ力高過ぎー」
「まあ、部活で友達とか出来そうだし。いくら美音でも大丈夫かな」
「そ、そうですねー」
「あー。今年の課題曲、どれになるかなー」
「2番か3番っぽくない?私は 3番の方が好きだけど」
「日向も3番のが好きー。
....あ、今日、早く帰らなきゃいけないんだった」
「そうなの?じゃあ早く帰ろ!」
私たちは、曲について話しながら帰った。
.