黒執事

□夢みたいな
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「…」
一瞬の沈黙。
飛び退いた衝撃が聞こえたのか、こちらへ向かってくるロスターの声。
がちゃり、と扉が開いた。

「お嬢様、どうし…」
瞬間、
「マジかあああああああああああああああああ!!」
室内に木霊するジェシカの絶叫。
ハスキーボイスがここまで出せるのかと驚愕してしまう。
「ろ、ロス、ロスター…!!」
ほぼ何も言えていない口を押さえながら、ジェシカはその場にしゃがみ込んだ。
「…ロスター」
「はい?」
「こいつ許嫁って知ってる?」
「はい」
これまで共に歩んできた執事から告げられる衝撃的な言葉は、無惨にもジェシカの顔面を崩壊させた。有り得ない、と言わんばかりの目をロスターに向ける。
何を言っているんだこいつは。
「え、何?知らないの私だけっすか?新手の嫌がらせ?ドッキリ?そうだよなそうだそうだ」
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