短編

□教えてよ 《グレゴリー・バイオレット》
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《教えてよ》



「僕の、傍に、いて」

緊張で上手く回らない舌を、震える手を抑えて、
僕は精一杯の〔告白〕とやらをした。
…んだと、思う。
実際恋なんてろくにしたことないし、この気持ちがなんなのか分からなかった。


「…バイオレット、熱でもあるのか?」
目の前の君は不思議そうに、僕の顔を覗き込む。
一瞬、あるんじゃないかなーとか思ったり。
…これまで女になんて一切興味が無かった。だから確かにこの状況は自分でもびっくりした。
(だけど…)

「バイオレット?」

気が付いたら、君は僕の下だった。
「可愛いなぁ…」
サラリと髪を鋤く。

水が滴るかのように、

ゆっくり、ゆっくり、

「綺麗」
キスを落とした。

「っ…」

(なんでそんな、切ない顔するの)



(嗚呼、分からないよ)



《教えてよ》
END

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