短編

□天下一の《チャールズ・グレイ》
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《天下一の》



「レクター!!レクター!!」
ドンドンと窓を叩く音で目が覚めた。
時計は12時を指している。何事かとカーテンを捲れば、見覚えのある白髪が目に入った。

アタシの愛しい恋人。

「あらチャールズ…」
「一緒に寝て!!」
「あらあら?」
窓を開けるなり青ざめた表情で部屋に入ってくるチャールズ。
また怖い夢でも見たかと尋ねれば、即答だった。



「…で?これで何回目かしら?アタシが真夜中にホットミルクを淹れるのは」
…浅いカップに温めたミルクと砂糖を入れると、それを混ぜ合わせる。

「べっ、別に怖くないし!!フィップスに凄く怖い話されて眠れなくなったとかじゃないし!!」
「見事に全部話してくれてありがとうね」

はい、とミルクの入ったカップを渡してやる。
チャールズは最初こそ反発していたが、ミルクを見るなり引ったくって飲み始めた。
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