短編

□insanity《ジョン・ブラウン》
1ページ/1ページ

《insanity》


It is the tale which was very out of order...

【それはとても狂った物語】



「レクター」

私を呼ぶ、
アイツの声。

憎い、あなた。

「見つけた」

【私は今日も、死ねない】




「こんな事をされて、悦ぶんですね」
ジョンが鞭を振るう度に、私の身体は熱く疼きました。
「…、…」

痛みなどない、感じるのは悔しさと絶望、

「やはり、グレイから奪っておいて良かった…」

グレイを殺された、殺意。

「…女王の狗も落ちたモンですね」
口内に溜まった血を吐き出し、嘲笑する。
ジョンはゴーグルを外すと、私の瞳を見据えた。

「まだ反抗しますか?」

髪を掴まれ、唇に歯を立てられる。
「ンン…ッ…ふッ…」

怒りが込み上げてくる。

恋人を殺されても尚、
生きている自分に、

「可愛いですよ」

目の前で笑っている、
コイツに。





(すまないグレイ)

(…死ねそうにない)


《insanity》
END

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ