短編

□クランベリー《ジョン・ブラウン》
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《クランベリー》



―…貴女はいつだって、悲しそうにこう言う。

【私も誰かに、愛されてみたいわ】

貴女はいつだって、困ったようにこう言う。

【好き、っていう言葉に、理由なんか要らないわ】

私たちはこれから、私たちの色に染まっていきます。
【でも、傷付くのは…少し怖いわ】


「能動的な未来に、事の見解を付加して嘆いたり出来るなら…生きるのも楽よ」

貴女はそう言って笑った。恋愛への概念は昔から変わらない。

「等身大の世界に、溺れるのは望んじゃいないわ」
止めてください、そんな顔しないで。

「それでも、私を好きになれるの?」

気付けば貴女を抱き締めていていた。

貴女は好きという言葉が分からないのですね。

どんなに愛を叫んだって、
どんなに求めたって、

どうしても、分からないのですね。

【もしも私が、等身大の世界に溺れる事が出来たなら、】



(貴方に愛されたい)



《クランベリー》
END

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