Long Stories

□蓮華の儚さよ
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 北米支部・アルマ=カルマ編



 静かなマテールの地で抱き締め合ったまま崩れていく方舟を見上げる。
 完全に崩れる所までを見届けた黒凪は神田に縋り付く様にしてから目を閉じた。
 眠いのか。掠れた声で言った神田に小さく頷いてすぅ、と眠りにつく。
 その様子を見て安堵した様に眉を下げた。



「――なぁ、これからどうしようか」

『……』



 旅でもするか?俺等なら何処にでも行けるだろ。
 それか何処かに家を建てて暮らしても良い。
 お前とならそう簡単に退屈にはならねぇだろうから。



『――…』

「…なぁ。どうする、黒凪。」



 俺達は自由だぜ。
 ぐったりとしている黒凪を抱きしめて目を閉じる。
 どくん、と2人の身体にある術式が脈打った。




 First end


 (愛してる)
 (これからも、ずっと。)



 2017.11/05
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