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□あいうえお作文(四天宝寺)
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桜がひらひら舞い散る4月。時は少しばかり遡り、四天宝寺に財前が入学したての頃の話…。
入学して数週間、白石たちの懸命な勧誘の結果テニス部に入部することを決めた財前は部長の白石、謙也と共に部室で駄弁っていた。
「はぁー。なんで今日部活オフなのに俺ら部室になんか来とるんスか」
「まぁ、そんなこと気にせんでええやん!俺らと親睦深めようや」
「謙也さんと親睦深めても俺にはなんも利益無いんっスけど…」
「なんやて⁉︎お前、ほんっま生意気なルーキーやな」
「そりゃどもっス」
「褒めてへんで⁉︎」
「2人ともその辺にしときーや」
ヒートアップしてきた2人をすかさず止める白石。
「財前がテニス部入ってきてまだ1週間ちょいなのにお前らほんま仲いいな」
「…部長、変な勘違いはやめて下さい」
「せや!まだ俺らは仲よくない‼︎これから仲ようなるっちゅー話や」
「「…………。」」
素晴らしいほどのドヤ顔でくさいセリフを決めた謙也。
「…部長、やっぱ入部の件考え直してもええですか?」
「それはアカンけどコレには俺もドン引きやわ…」
「じ、冗談に決まっとるやろ‼︎」
「焦るところが余計怪しいっスわ」
カシャッ。
「?財前君、何しとんのかな?」
カチカチカチカチカチカチ……。
「おーい?」
声をかけながらひらひらと手を振る謙也をガン無視する財前。そして何か出来上がった様子で白石にケータイ画面を見せた。
「部長、見てください」
「なんや?…っ!ウケるわコレ‼︎流石財前やな」
「え?え?ほんまになんなん?」
笑いすぎて零れる涙を拭いながら白石が謙也にケータイ画面を見せる。
『嘘バレそうになって焦りすぎてる謙也さんとかまじワロタwww』(焦り顔の写真付き)
「……。って、おぉぉぉぉい‼︎何しとんねん‼︎」
「ツイッターっスわ。謙也さんやってないんスか?」
「そういう問題じゃないやろ!白石も何か言うたれや‼︎」
「そういや財前ツイッター好きなんやってな〜。にしてもナイスツイートやで!」
「白石ぃ‼︎そこはぐっと親指立てるとこちゃうで⁉︎」
「さっそくファボらんとな♪」
「聞けや!」
「謙也さん室温上がるんで少し黙っててもらってもええですか?」
「財前の言うとおりやで」
「…ふ。……はは。もう君らに口で勝てる気せえへんわ」