ぬら孫 短編

□賭けと約束
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小さい頃、約束をした。


鬼ごっこをしていた時のことだ。






そもそも鬼ごっこをしてたのは、外に遊びに行ってしまう彼を引き留めたかったからだ。


歳の近い遊び相手がいなかったのと、自分が人間の世界に馴染めないから、外で友を見つける彼が羨ましかった。








少し年上の彼は、毎回捕まりそうになるとパッと消えてしまう。


中々捕まらないもので、悔しくて情けなくも泣き出した私に彼が言ったのだ。












“本気出した鬼ごっこで俺を捕まえたら、ずっと側にいる”











楽し気に見ていた総大将と珱姫様は、それを聞いて目を丸くされていた。










おいおい。お前さん、今の言葉は取り様によっちゃ一大事だぜ?









総大将はそう言いながらも笑っていて、珱姫様を抱き寄せていた。










まだ幼かった私は一大事の意味も分からず、とにかく捕まえたら一緒に遊んでくれるのだという解釈をしていた。




でもそれは間違っていたんだと、年を経てようやく理解した。










































「鯉伴ーーー!!!!!!」

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