みじかいの

□世界を救いにいざ。
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「ねぇねぇ、ゆまっちー」


「なんすかなんすかー?」


『ゆまっち』こと、遊馬崎ウォーカー。
彼は堂々オタクであり、因みに私もオタクである。
そんな私達は付き合っていて、彼曰く

『現実では唯一の嫁候補』

らしい。
嫁の大切さを私は知っているので、正直とても嬉しい。


「すき!!」


「俺もっす!!
現実では、一番好きっす!!
愛してる!!」


「わわ、ゆまっち声大きいよ!!」


何ていつも通りのろけていたら、ゆまっちはいつもよりも目を細めて笑った。


「…何か、平和っすねぇ。」


彼の目線の先には、とても平和とは思えない光景───

───空飛ぶ自販機が見えた。

…また臨也さんが池袋に来てるのかな、と思いつつ、自販機が破壊される音を遠くに聞いていた。


「ゆまっち、平和ボケしてるときが一番危ないんだよ!!

もしかしたら、地球侵略しに来た美少女が私達を異次元に連れてっちゃうかもしれないよ!!」


「あわわ、それは大変っすね!!
急いで戦闘体勢に入らないと…!!」


「地球のピンチだよ、ゆまっち!!」


「俺たちが救って見せるっすよ!!

───ね、零時さん!!」


ゆまっちはそう言いながら、然り気無く手を握ってくる。
彼に手を引かれながら、私は地球を救うべく走るのだった。




世界を救いにいざ。








(…ところでゆまっち、この手はいつになったら離してくれるの?)

(地球を救い終わるまでっす!!)

(いつになるのやら…)

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