蒼目とジェイソン

□No,1
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さっきまで自分を追ってきた喰種が潰されていく

まるで、腐ったトマトのようにぐちゃり、ぐちゃりと音を立てて

壁にもたれ掛かるようにしている喰種の少女はただ呆然とその光景を見ていた

逃げようにも赫子はおろか、手足を動かす体力さえない

謎の第三者は最後の一人を殺し床に投げ捨てると少女へと近づいた

月明かりに照らされて見えたのは、金髪に平たい顔そしてホッケーマスクを手に持った大男

少女はその大男に「だ、れ……?」と言った

「僕? 僕はヤモリ、ここの喰場の所有者だよ」

ヤモリと名乗った大男は微笑みながらそう言うと少女の顔にかかっている長い銀髪を退けた

「君、見ない顔だね ここ(13区)の喰種?」

少女は頷く

「へぇ…… ここに隻眼なんて居たんだ」

ヤモリは少女の顎に手を添えると上を向かせた

「青い赫眼か……へぇ面白い色してるね


ヤモリはそう言うと、少女に言った

「僕、ここの喰場の所有者って言ったでしょ? だからここを荒らした君を殺さなきゃいけない それがここ13区のルールだからね」

「でも、君は貴重な隻眼だ それも、面白い赫眼の色をしている 僕はそれを殺すだなんて勿体ない」

ヤモリは話しながら、少女の瞼を撫でる

「だから、交換条件をしよう 僕が君を殺さない代わりに君は僕の部下になる どうかな?」

どうかな、と聞いている割には選択肢など一つしかないようなものだった

「い、く……あなた、といっしょに……いく」

少女がそう答えるとヤモリは満足そうに頷いた
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