小説
□デートの裏側
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古代種の神殿に入るためのキーストーンをゴールドソーサーで手に入れたクラウドたち。
早速神殿へ向かおうと思いきや、なんとゴールドソーサーからコレルへと降りるロープウェイが故障してしまい、仕方なくこの日はゴールドソーサー内のゴーストホテルに泊まることになった。
バタバタバタ…という足音でシドは目が覚めた。
「んあ?何だこんな夜に廊下歩き回ってんのは……」
頭をボリボリかきながら起き上がる。
そういえばロビーで仲間たちが今までの旅の流れを確認している時点でシドは眠ってしまっていた。
ヴィンセントに起こされて部屋に戻ったがまたそのまま寝てしまったので着替えなどそのままだ。
先ほどの足音はもしかしたら仲間のものかもしれない。
せっかく服もそのままだしもしバレットやクラウドだったら一緒にチョコボレースでも見に行くかと部屋を出た。
ちなみに同室のヴィンセントはすっかり眠ってしまっていた。
ホテルを出ると20メートルほど前にクラウドが見えた。
追いかけようと走り出したそのとき物陰から「おい!オッサン!」
と声が聞こえた。
自分のことをオッサンと呼んでくるのは仲間内で一人だけだ。
物陰の方を見ると案の定ユフィがいた。
「ユフィじゃねぇか。ガキは寝る時間だぞ」
「誰がガキだ!それより邪魔するなよ!あの二人!」
ユフィが指差した先にはクラウドと………よく見ると、横にはエアリスがいた。
「今日アタシエアリスと同じ部屋だったんだ。いつまでも寝る準備しないから怪しいなーと思って狸寝入りして観察してたってワケ」
「それでお前どうするつもりなんでぃ。もしかして尾行すんのか?」
眉間に皺を寄せてシドが言うとユフィは親指を突き立て「もっちろん!」と目を輝かせた。
「あー!追いかけないと見失っちゃう!んじゃね!」
「おう!待ちやがれ!!」
説教なら聞かないぞ!という顔でユフィが振り向く。
「俺様も、行こうじゃねえか!」
ユフィがニヤリと笑う。
「そうこなくっちゃ!!」