中編・短編

□俺の完璧な兄貴
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俺は今とても困っている。

まず原因の兄貴の話をしよう。
俺には一つ上に兄貴がいる。
それはもうカッコいい兄貴だ。
顔は父親似のあまり特徴のない顔立ではあるけど、他は隙がないくらい完璧だ。
そんな俺の兄は今では生徒会長という肩書きまで手に入れてしまった。
確かに顔立ちは目立たないものかもしれないが全国トップクラスの成績にサッカー部のエース、誰にでも優しい性格にその上生徒会長にまでなってしまったら人気になっても当然だろう。

それが俺の困っていることだ。
兄貴は今までもモテなかったわけではない。
ただ俺がいたからそこまでの人気はなかっただけだ。

何を隠そう俺は昔から兄貴とホントに血つながってるのか?と不思議がられるほどの美少年だった。
今は背も伸びて大人っぽくはなったと思うがそれでも美青年だ。
この顔のおかげで兄貴につく虫は排除できた。
この顔に生んでくれた母さんには感謝してもし足りない。

なのに兄はどんどん目立ってしまっている。
そのために俺はどんどん目立たなければならなくなった。
今では俺は悪い方向で目立ってしまっている。
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