中編・短編
□進化型な吸血鬼
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人間接点を見つけると急に仲良くなれるとは言うが、さすがに距離が近くないかと思っていたがアルコールで冷静な判断はできなかったようだ。
気づいた時には首筋への生暖かい感覚が。
そしてすぐに追ってきた肌を突き破る痛みにアルコールは一気に冷めていた。
「え…?おいっ!」
「ん……っ…」
慌てて頭を押し退けるもいつの間にか肩へ回っていた腕は強くなかなか外れない。
「ん……ごめん。つい旨くて…」
やっとのことで体を離してもらえれば体の力は抜けていて。
照れ笑いのような顔と口の端へついた血液を親指で拭い取る太陽さんに俺はそのあとの吸血鬼うんぬんという話を信用するしかなかった。