血の嫌いな吸血鬼
□No.1
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吸血鬼は満月になるといつも以上に血が飲みたくなるのだ。
その満月が今だ。
ただ俺は血が大嫌いなのだ。
血なんて飲みたくない。
今まではトマトジュースを飲べばなんとかなった。
だけど今回のはすごく手ごわい。
(とりあえずトマトジュース買って帰るか)
そう思い勢いよく立ち上がる。
今日はちょっと高いのにするかと、考えながら公園を後にしようとする。
すると公園の出入口に接する大通りを髪の長い長身の男が通った。
(貴族か…)
その男の髪は街頭でキラキラと銀色に輝いていた。
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