俺だけになぜ、災難がつづくのか
□災難その1
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「もうすぐ玲央さんの担任が来ますよ。少し待ってくださいね」
柔らかい笑顔を浮かべ言う。
「、、、わかりました」
そう言い玲央は、ケータイを取り出す。
静香に着いたらメールするよう言われていたのだ。
『今、着きました』
母へのメールは、ついつい敬語になってしまう。
『どんなかんじ?門番は?』
数分もたたぬうちに返事か、返ってくる。
相変わらず返信は、女子高生並だと関心し、返信を打とうとすると、、、
「お待たせしましたー!」
そこには、自身が高校生だと言われても違和感のないほどの童顔に、良く言えば人の良さそうな、悪く言えば騙され易そうな笑みをヘラッと浮かべた男が立っていた。
「あれ?玲央さんの担任は、姫野先生ではありませんでしたか?」
門番が不思議そうに言う。
「また、サボってるんですよー」
そこにいない『姫野』への不満を言う。
「ごめんねー。担任の姫野が遅れてるから、ぼくが代わりに迎えに来たんだー」
「あっ、ぼくは、五十嵐烈。君のクラスの副担なんだー。よろしくねー」
玲央の誰だこいつ、という気持ちが通じたのか、人の良さそうな男ー五十嵐が自己紹介をする。