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□サクラサク
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まだ、ほんの1週間だ。
3年間通った学舎。
何だかんだと行事がが多くて、
部活と受験勉強との両立は、本当に大変だった。
そして、二次元嫁にそっくりな
1学年下のかわいい後輩と
ほんのりとではあったが甘い時間を過ごした、この学校を。
ボクは、つい最近卒業したんだーー。
芹澤悠吏は、卒業後に発表があった大学に進学する旨を報告しに。
つい最近卒業したばかりの藤城学園の門をくぐる。
ほんの数日前まで毎日通っていた
(とはいえ、2月からは自由登校ではあったが)学校にもかかわらず、
「卒業式」を終えて私服でこの門をくぐることに。
いくらばかりかセンチメンタルになっていた。
進路の報告は実にあっけなく終わった。
「よくやりましたね。おめでとう。」
普段の険しい表情を少し崩した担任の真山先生に。
在学時のあの厳しさは、ボクたちのためを思っての事だったのかということを感じる。
それは、とても嬉しく。
一方で彼を誤解していたことに、申し訳なさを感じた。
職員室を後にするとまだ時間があったので、
放送室や部室、教室、購買…
ほんのわずかな偶然を期待しながら、
もう暫く来ることはないであろう
この学校での自分の足跡を辿ることにした。
(そろそろ購買にパンが並ぶ頃でしょうか?
期間限定のイチゴサンドの食べ納めでもしましょうかね。)
芹澤は、ふと思い立ち購買に寄ることにした。