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□噂話にご用心
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「やぁ、名前ちゃん。
いらっしゃい?どうしたのかな?」

保健室の主である若桜郁人が
いつも通りの甘い声で迎えてくれた。

「せんせぇ…。」

気分が悪すぎて、言葉もろくに出てこない。
若桜はふっと微笑んで、
名前の顔色を見ると体温計を差し出す。

「んっ…。顔色が悪いね?熱測ろっか?」

無言で体温計を受け取り、熱を測ると
デジタルの表示は平熱を示していた。

「熱はないみたいだね…。ちゃんとご飯食べた?夕べはしっかり眠れたかな?」
「あっ…。今日、数学の小テストがあるからあまり寝てないんです…。」
「だめだなぁ、ちゃんと寝なくちゃ。」

若桜は優しく微笑むと、いつも通りの艶っぽい声で囁く。

「添い寝、してあげようか?」
「いえ…。それは結構です。
 けど…。少し寝ていってもいいですか?」
「うん。いいよ。でも、残念だなぁ。
 …一緒に寝てほしくなったらいつでも声かけて、ね?」
「ありがとうございます。」

小テストのために夜遅くまで勉強していたことも相まってか、
名前はあっさりと眠りに墜ちた。
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