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□この行き場のない想いは
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時は試験前に遡る。

ちょうど試験問題を印刷にかけに印刷室へ向かう途中、
部活停止期間で人がいないはずの化学室から声がするので
何事かと思い覗きこんだ。

「わぁ。白川くんの髪、真っ直ぐで
さらさらしていてきれい。」

苗字名前が、
自らすぐ隣に座る男子生徒の髪に触れ
自分が見たことのない笑顔で微笑みかける。
その仲睦まじい様子に、真山は衝撃を受けた。
二人の様子が気にはなれど、とてもではないが直視できずに真山はその場を立ち去った。

自分が名前の髪に触れることはあっても
彼女が能動的に真山の髪に触れてくることはないー
その事実に打ちのめされたのだ。
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